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ブログデベロッパーツール検討のタイミングTerraform

Terraformを検討する時期

Terraformを検討する時期

Terraformプロバイダーとの協働を行っているエンジニアリングマネージャーとして、開発者(弊社カスタマーを含む)がTerraformを使用してクラウドインフラストラクチャを管理する方法について多くの質問を受けます。 

Terraformは、一部ワークロードにとって理想的なソリューションですが、それ以外のワークロードにおいては、Terraformを組み込むためにワークフローを再設計することが、ゼロからのスタートに等しい作業となるおそれがあります。 たとえ即時決定が要されなくても、すべてのツールと同様に、Terraformの基本を理解してその発展に目を向け、最終的に適切であるか見極める必要があるでしょう。

Terraformは、宣言型モデルに従うIaCソリューションです。構成ファイルは、構成完了のステップではなく、最終的に希望する構成表示を定義します。 詳細は、 宣言型ソリューションと命令型ソリューションの違いに関する弊社のブログを参照してください。 他の宣言型ツールと同様に、システムにある程度の均一性がある場合にはTerraformの使用がベストです。ただし、標準のテンプレートから幾分逸脱する可能性があります。 

ペットと牛の比較

Terraformは、サーバーが特別なものであったり、根本的に異なるものであったり、個々のシステムが頻繁に再構成されるような環境には適していません。再構成をするのが自分自身である限り、頻繁な構成に問題はありません。Terraform ワークフローでは、サーバーを家畜(ペットではない、つまり特別ではない)として扱いたいと考えています。

また、宣言型ソリューションは、何度コマンドを入力しても同じ結果が得られるという「冪等性」を備えています。例えば、再デプロイメントが構成の中間点で失敗したとします。その場合、コマンドを修正したり、最終的な設定ステップを手動でナビゲートしたりすることなく、同じコマンドを再度入力することができます。アイデンポットソリューションは、トラブルシューティングプロセスの複雑さを軽減する傾向があるため、経験の少ないチームメンバーがより独立して操作できるようになります。

宣言型アプローチの基本的な利点に加えて、Terraform には他にもいくつかの利点があります。Terraform で使用されている HashiCorp configuration language (HCL) は、他の多くの IaC ツールで使用されている言語よりもシンプルで習得しやすいものです。Terraform は、多くの主要なクラウドプロバイダーにサポートされているオープンソースのツールであるため、Terraform を使用することでベンダーロックインを防ぐことができます。また、Terraform の採用が進んでいることから、Terraform の経験を持つ開発者の採用が非常に容易になっています。

Terraformはプラットフォームにとらわれず、多様なプラグインが用意されているため、マルチクラウド環境の管理が容易です。Terraform モジュールレジストリでは、独自の構成を構築する際に時間を節約できる再利用可能なコンポーネントを提供しています。

LinodeとTerraform

当社はTerraform に多大な投資をしており、Linode環境に組み込まれたカスタムツールは、 Terraformをお客様のIaCソリューションとして実装する作業をさらに簡素化します。例えば、LinodeTerraform プロバイダは、LinodeAPI と直接インタフェースしているため、他のLinode製品とのシームレスな統合が可能です。

このようにメリットを簡単にまとめてみると、お客様の環境でTerraform が最適な選択肢となる場合について、実用的な洞察が得られます。以下のようなニーズがある場合は、Terraform を検討してください。

  • 再現性のあるインフラ: 自動化は、ある程度の統一性と再現性がある環境で最もよく機能します。ネットワークが構成の似ている複数のシステムをサポートしている場合、Terraform は優れた選択肢となります。一方で、システムが似ていない場合や、多くのカスタマイズが必要な場合、頻繁に構成を変更する必要がある場合は、Terraform のメリットはないでしょう。
  • 外部サービス。外部のツールやサービスとの統合を必要とする環境では、豊富なプラグインを備えたTerraform が適しています。
  • Multicloud:組織が複数のクラウド・プロバイダーにまたがっている場合、Terraform が普遍的に受け入れられることで、統合が容易になります。
  • 柔軟なITスタッフの配置:Terraformの使いやすさは、IaC環境を操作・維持するのに専門家である必要がないことを意味します。高度な専門家の介入を最小限に抑え、柔軟かつ容易にトレーニングできるITスタッフの存在が組織にとって有益である場合、Terraform をご検討ください。

また、今日行う決定によって将来的に作業を行うネットワークが構築されるということを考慮すべきでしょう。したがってIaC環境を計画し、Terraformを検討する際には、展望的な視点から行うようにしてください。 たとえば、現在マルチクラウド環境を使用していない場合でも、将来的なオプションをキープしながら、企業の進化に合わせてコストを節約し、柔軟性を最大化することができます。

これまでに自身のプロジェクトでTerraformを使用したことがない方は、ツールを理解するための時間的投資を行い、ご自身とワークロードにさらなる競合性を獲得するだけの価値があります。 このTerraformのような、数々の多彩なクラウドプロバイダーにサポートされているプラットフォームを選択することで、お使いのクラウドインフラストラクチャの適応力を最大化させ、将来的な使用が保証されます。


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